ラウンダーと営業の役割(または業務内容)の違い
ラウンダーと営業の違いは、主にその与えられた役割を見ればわかります。職種が異なるということは、役割が違うということです。
ここではスーパーマーケットなどの量販店に対するラウンダーと営業との違いを例に挙げ、それぞれの役割や業務内容について解説します。
ラウンダーの役割
ラウンダーの最も大きな役割は、店頭における自社商品の売場構築です。定期的に店舗を訪問し、より目立つようなディスプレイを提案したり、エンドと呼ばれる消費者動線の多い場所へ商品を並べたりという提案を店舗担当者に行います。各種キャンペーンやプロモーションと連動して、POPやのぼりなどを掲出し店頭での販促イベントを行うことも。
あわせて、量販店の担当者とコミュニケーションを図り、店頭での消費者の様子や他社情報などをヒアリングするのもラウンダーの役割です。また、自社商品の情報を伝達し、より売れる環境づくりに協力してもらう役割を果たします。
いわばラウンダーはメーカーと量販店との間に立ち、「自社商品の売上が増えることで量販店の売上増加も見込める」というwin-winな関係性を構築するつなぎ役も担う職種です。
営業の役割
営業担当者の場合、量販店本部との商談がメインの業務です。仕入れ権限を持つ本部バイヤーとの間で商品の発注ロットや価格の交渉を行ったり、新商品の取り扱い提案を行ったりします。
ラウンダーと異なり、営業担当者が量販店の店頭に出向くことはそれほど多くありません。特に大手チェーン店となると本部交渉だけでかなりの業務量となるため、各店舗の店頭フォローはラウンダーに任せることが多くなるのです。
このようにラウンダーと営業にはその役割が大きく違います。ラウンダーの場合は各店舗の店頭を巡回するという要素が大きいため、居住エリアの近くを中心に直行直帰型の勤務形態となるケースが多いです。1日に5〜10店舗近くを訪問するには効率化が必要になります。
また、店頭の情報は鮮度が命となるため、訪問後速やかに管理者へ報告を上げるのも営業に求められる仕事です。
ラウンダー業務の課題
ラウンダー業務は1日の活動時間内に多くの店舗を巡回するため、移動効率や商談効率が課題となります。店舗側も開店後や夕方などの繁忙時間帯に訪問されるのを嫌うので、限られた時間内により多くの店舗を巡回し、より密度の濃い商談を行わなければなりません。ラウンダーは直行直帰型であるため、巡回報告などの訪問データの迅速な報告も必要です。
一方で、ラウンダーを管理する側の課題も。ラウンダーは定期ミーティングなどを除き会社へ出社することがほとんどないため、ラウンダーの動きが見えにくくなります。
ラウンダーによって効率に差があるとフォローや指導などが後手に回る場合も多いです。そのため、ラウンダーに関するPDCAサイクルをしっかり回していくことが課題となります。